―――コン…コン…コン…
部屋でパソコンをいじりながらゴロゴロすると控えめに扉をノックされた。
「…誰。」
俺が声をかけると聞こえてきたのは海月の声。
「あの、さ。入ってもいいかな?」
「ああ。」
そう言うと海月は恐る恐る部屋に入ってきた。
ソファーに座るように諭すと、海月は頷いてソファーに腰を沈めた。
「で、どうしたんだ?」
椅子を回転させながら海月の方を見る。
「……私、あのね。飛龍っていう暴走族に狙われてるかも…」
「……飛龍?」
飛龍と言うと結構悪い方の族だった気がする。
「…あのさ。影にぃは私のクラスに白薔薇の副総長が居るの知ってる?」
「転校してきてたのは知ってたが、海月と同じクラスなのか。」
海月は俺の影響なのか結構族とかの名前を知っている。
最近の趣味はハッキングとか言っていた気がするな。
「うん。その副総長……柊木君の隣の席が私なんだよね。だからなんか仲良くなっちゃって……」
海月が言うには、仲良くし過ぎたせいで同じクラスにいる飛龍の下っ端が白薔薇の弱点になるんじゃないかという話になったらしい。
「…どうしたらいいかな。私、喧嘩とか出来ないし。」
どうしたらと言われてもな…。
今できる対策と言ったら……
「登下校、俺と一緒に帰るか?」
「……え、でも影にぃ友達いるでしょ。」
「帰る方向は途中までだしお前がいても問題ない。」
海月の知ってる奴らだし。
それに話がこじれて海月が白薔薇の姫になったりしたら困るしな。
「………じゃあ、お願いしようかな。…ごめんね?こんなこと頼んじゃって。」
「いや、別に。」
俺がそう言うと海月は笑顔を向けながらありがとうと礼を言ってくる。
……それにしても飛龍か。面倒なことになりそうだな。
俺は部屋から出ていく海月に手を振りながら頭の中でため息をついた。


