「……はぁ、まぁいい。用件は?」
『溜まり場来て。いつもの場所だから。』
先程のふざけたムードから一変し、真顔――顔というよりは声だが――で話しかけてくる。
「制服から着替えるから遅くなる。」
『全ッ然問題ないよー。』
…こいつの真面目は3秒しか持たないのか?
『大和バイク持ってんじゃん?それに乗ってきてくれれば。
あ、でも、大和おいて来るのはダメだよ?』
「はぁ?そしたら、大和と仲いいのバレるんだが。」
そうしたら、大和に被害が行く。それだけは避けたい。
「ん、わーった。―――深影、ウィッグとカラコンあるからつけろ。」
んだけど…大和は自分のカバンの中からその2つが入った袋を投げながら言ってくる。
俺はそれを受け取り渋々頷いた。
「……わかった。」
それにしても用意周到だな。まるで、元々そういう手筈だったかのように。
『そーいうことだから。よろしくっ!』
苓は言うだけ言って通話を切った。
袋の中身を確認するとあるのは白髪のウィッグと翠色のカラコン。
………なんでこの色をチョイスした。
俺は大和にすぐ近くの公園で10分後に集合と言うメールを送って教室を後にした。


