「え、何。偶然!?」

幸村が光を見ながら言うと光は一瞬にして笑みを失くし首を横に振った。

「……僕と深影は従兄弟だ。」

「へぇ、従兄弟だったんだ!道理でちょっと似てると思った。」


茜は俺と光の顔を交互に見ながら言う。

あ、そうだ。忘れてた。


「お前らも苗字教えろよ。不公平だからな。」

「まあ、いいですよ。僕は柊木−ヒイラギ−。柊木司です。」

「小咲幸村とー政宗ー。」

「あ、えっと…その。シンさん、じゃなかった。深影さん以外には自己紹介してなかったですよね。櫻井茜です。信一の妹です!」


ペコリとお辞儀をする茜。

なぜ、こんなにも礼儀正しい妹にこんな兄が出来たのか不思議だ。


「あ、茜。」

「はい?」

「敬語、要らない。」

俺がそう言うとちょっと拍子抜けしたような顔を一瞬したものの、笑顔ではいと頷いた。

…はいじゃなくていいって言ったんだがな。