あの後は平凡に…大和以外と話しながら過ごした。


ちょい、大和も話したそうな顔してたけどまだダメだ。

俺をいじめ始めたんだからそれ相応の罰を与えなきゃな。


んで、今は夜の繁華街。


悪い不良を倒しに行くがてら白薔薇さんたちに挨拶をと思ってな。

それはもう三人に伝えてる。一時間後に白薔薇の溜まり場近くのコンビニに集まることになってるし。

今日は金髪に真っ赤なカラコン。

いつものように灰色のパーカー…チャックが付いてない奴…を着て黒いジャージのズボンを着てる。

ダサいとか言われたけどいつもはもうちょっと気を遣ってるんだけど、汚れたら着れなくなるから滅多に着ないやつを着てる。

雨だって言うのに傘を差しながら所々に不良が溜まってる。


いや、それを言うなら俺も黒い傘差しながら歩きまわってるから変わんないけど。


バタバタと傘に雨が落ちる音を無視して周りに耳を傾ける。


「………んなことがあったんだよ!」

「あー、金ねぇーバイトでもすっかなー」

「あっははは!」


不良が他愛もない話をしている中、俺の耳に一つの言葉が入ってきた。


「――いや!助けて!……お願い、だから……やめて!」


その声の位置を捉え、店と店の間に足を進める。

正確な位置はわかんないけどこっちの方向だったはず。


「―ぃやあっ!離して!誰か助けて!」

「黙ってろ!」


声が絶え間なく聞こえてくるお陰でどこら辺にいるのかよくわかる。

角を曲がってまっすぐ走ってまた曲がる。


「―――居た。」


ガラの悪そうな不良が何人かと服が引き裂かれて下着がチラチラと見えるけど可愛らしい黒髪の少女。

どうやらまだ襲われてないようで、ホッとため息が出る。

「あ?んだよ、てめぇ。」

「何って。その子助けに来ただけだが?」

「テメェには関係ねぇだろ!すっこんでろ!コイツはこーいうプレイが好きなんだよ!」

ええ、いやいや無いだろ。こんなに涙流して。

「……そうなのか?」

俺がその子を見て問いかけると案の定首を横に振った。

「……違っ…」

嗚咽しながら否定しようと声をあげる。

だけどそれが気に食わなかったようで不良は少女を蹴ろうとする。

「ひっ…!」

少女がそれに怯え、体を縮こまらせる。