「あ、そうそう。女子が言ってたんだけどさ。」
悠里がそう切り出したのは一時間目が終わる少し前だった。
「今度、ここに取材来るらしいよ?」
「取材?んでまた。」
大和が訝しげに悠里を見る。
「不良校がどんなものなのか雑誌に取り上げるんだってさ。…あと、この高校顔立ち良い人多いし、制服も可愛くてかっこいいかららしい。」
「てか、それいつ聞いたんだよ…」
「囲まれてる時。」
あー…なるほどね。悠里は可愛い系だから、どうせ女子が「御剣くんは絶対取り上げられるね!」とでも言ったんだろう。
というかさ…なんで俺と大和は知らないんだ…
「元々は前、僕らが通ってた学校も取り上げる予定だったんだけど、却下されたらしいよ。そんなことしている暇はないって。」
「偏差値ここと同じだってのにね!」
「いや、だからだろ?」
不良校と同じだなんて顔に泥塗られてる気分だろうし。
「いやー、流石だな!我らチームの情報源!」
「…別に俺は噂程度の信憑性の薄いのはいらないんだが。」
「今回のは噂程度じゃないよ。なんてったって僕が仕入れて来たんだからね!」
…いや、その自信はどこから…。


