【桐生深影side】
屋上の一番高いところ……水を貯めるポンプの上に座り煙草をふかす。
耳につけているイヤホンから音楽が流れ、鼻歌を歌いながら三人が来るのを待つ。
「まずっ…」
別に吸いたくて吸ってる訳じゃない。
イライラするとなにかに頼りたくなるってだけ。
兄貴が吸ってるのを見て1本貰ったのがきっかけだったかな。
いいやつ見つける為に色んな銘柄を試してるけど失敗だったみたいだ。
と言っても、これチームの一人から一本だけ貰ったやつだしもう吸うこともないけど。
「はぁ……」
携帯灰皿に短くなった煙草の火を消し落とす。
それにしても……遅いなぁ…
下を見てもまだ誰も来ない。
探しにでも行こうかな…
そう考えた時だった。
―――キィ…
錆び付いた扉が開く音がしたのは。


