どーよと言われても…。
「いつもと変わんないじゃん。」
僕もウィッグを付ける。
これは地毛だけど、目立つのには変わりないから。
持ってきたウィッグは焦茶と黒と金のラメが散りばめられた濃い目のカフェオレっぽい色。
適当に渡したら苓のは黒だったみたい。
「昔の俺に戻ったみたいじゃね?」
「いや、だから……聞く相手間違ってるって。」
確かに白よりかは合ってると思うけど、前の学校で何回見せられたと思ってるんだか。
「本当の事言いなよユーリィー。」
「……キモ。」
無理に声を高くしてぶりっ子のように話す苓は本当に気持ち悪かった。
鳥肌が立つくらい。
「ひどっ!」
もう僕の前ではやらないで欲しいね。
なんて世間話をしていると大和が入って来た。
僕は大和にウィッグと眼鏡を渡す。
「変装して。」
「わかった…けどなんでこの色なんだよ…」
「手に取れたのがそれだったんだから仕方ない。」
キラッキラしてるけどさ…これが大和だとは誰も思わないでしょ。
眼鏡かけてるし。あとは…あれだ。
制服の着こなし方も変えればいい。
僕は大和の制服に手を伸ばし、着崩された制服をキッチリとさせる。
「うわ…頭良さそう。」
「何だよ、そのバカっぽい感想は。」
「眼鏡掛けるだけで違うもんだね。」


