「今日は何してた?」
「・・・んー。家でまったりしてたら、母に怒られて、慌てて外に逃げ出して…カフェでお茶してたら、お兄ちゃんカップルに掴まって・・・その後は新と・・・」

「…新?…海外事業部のか?」
「…はい」

「そいつと何してた?」
「…デートみたいな…そうじゃないような」

・・・そこまで言って、殺気に似た視線を感じた凜は、恐る恐る横を向くと、やっぱり須藤課長が凜を睨んでいて。

「・・・あの?」
「…ない色気振りまくな」

(…ヒドイ)

凜は怪訝な顔で須藤課長を見る。

・・・そこに助け舟を出したのは、やっぱり遼で。

「…圭吾、お前、もっと言葉を選べ。女の子は、繊細なんだぞ?すぐに傷ついちゃうんだからな」
「・・・」

「ゴメンな、凜ちゃん」
「…いえ、もう慣れましたから」

そう言って溜息をつく凜。

「こんな毒に慣れちゃダメだよ・・・でもさ、圭吾なりの愛情表現でもあるから許してやって」
「…愛情表現?…これがですか?」

疑いの眼差しで、遼を見る凜。遼はそうだよっと念を押すと、お客に呼ばれ、その場を離れた。

「私には、全く伝わりませんね、その愛情表現」

そう言うと、カクテルを流し込んだ。