キュンとしている場合ではないはずだが。

「…俺は毎晩この格好で寝るんだよ」
「…隣に女の子がいるのに?」

「…女だったか?」
「〜〜〜っ⁈」

「…お前の下着姿は、見たくて見たんじゃない。お前が勝手に脱ぎ出して、そこ!そこに畳んで、さっさと寝やがった」

ベッドの横の小さな机の上に綺麗に畳んである凛の服。酔っ払ってても、綺麗好きとか笑える。

「ぐーぐー、寝やがって。家も知らないのに。仕方ないから連れ帰ったらこの状態だ」

「…もぅ、色々とすいません」

酔っ払った凛が悪いのだが、…さっきのキスの説明は??

「…キス…は、なぜ?」

そう言った凛だったが、須藤課長に睨まれて口を噤んだ。

「…お前が色気振りまいてるから悪い」
「…は?」

(…いやいやいや、寝てるのに、どうやって色気振りまける?)

と、ツッコミを入れてしまう凛。

「…家に連れ帰ったのがマズかった」
「…は?」

「…いや、こっちの話」

…凛の寝顔が可愛すぎた。…昨晩、遼に言われたせいもある。無意識に、凛をイジメて反応を見て、その反応に一々一喜一憂する自分がいて、一晩共に過ごして、ようやく自覚した。


須藤課長は、凛が好きだと。