「…なんかのSFですか?」
「…は?」

またおかしなことを言う凛に、須藤課長は首をかしげる。

「…あの、…なーんにも、…覚えてないんですが…その、ヤッちゃいましたか?」
「…さぁ?」
「〜〜〜〜〜っ⁈」

(ダーカーラー!さぁ?ってなんだ?さぁ?って‼︎)

心の中で毒を吐きつつ、布団から顔を出した凛は、須藤課長を睨んだ。

「…覚えてないとは心外だな」
「…」
(えーえー、酔っ払って何にも覚えてませんよ!…あー、どーしよー。須藤課長と男女の関係になったなんて…)

なんて、心の中で考えていると、須藤課長は凛のおでこにデコピンをした。悶絶した凛は、涙目で須藤課長を見る。

「ナニするんですか⁈」
「…何にもなかった」

…へ?

今、凛は、どれだけアホ面をしているだろうか?

凛の顔を見て、須藤課長が笑った。屈託のない、作ってない自然な笑い顔。

(…この人、こんなに可愛らしい笑顔をするのか)

なんて思った凛は、胸がキュンとした。