…。

…凛は、自分の唇に温かい何かが押してられて目が覚めた。

…目の前にあるはずのないものに驚いて、何度か瞬きをした。

「…起きたか?」
「…お、お、お、」

(起きたか?ってここどこ?)

凛の唇から離された唇から、そんな言葉が呟かれた。

(い、今のって、き、きき、キス⁈)

「こ、ここは…どこ?」
「…お前の家に見えるか?」

そう言って不機嫌そうな顔をしたのは…須藤課長。

なんで今ここにいるのか?なんで一緒に眠ってたのか?なんで今、キスしたのか?

???が、たくさん頭の中で浮かんでは消えて行く凛。

「…な、なな、なんでキス?」
「…さぁ?」

(さぁ?ってなんだ?さぁ?って‼︎)

こんがらがる頭をなんとか働かせてベッドから起き上がった凛は。

「か、帰ります!仕事だか「今日は土曜日」

須藤課長の言葉に顔をしかめる。
(…ん?…んー⁈)

布団がめくれたら、須藤課長の姿が見え、あろうことか上半身裸…顔面蒼白の凛は、恐る恐る自分の体を見て

「ギャーーー‼︎」

と、叫び声を上げ、再び布団に潜り込んだ。

(アリエナイありえないアリエナイ)

心の中で何度も唱える。