…本当に全く自覚が無かった須藤課長は、睨むように遼を見た。
「…仕事仕事で、色恋沙汰には、無頓着なんだろうけど…さっさと自分の気持ちに気づかないと、新だっけ?そいつに凛ちゃん獲られるよ?」
「…人の事言ってる場合か?遼こそ、何時になったら、本業に戻るつもりだ?」
話をすり替えられ、遼は須藤課長を睨む。
「…いいんだよ。俺はこの仕事の方が性に合ってるんだから」
「…フン。大企業の跡取りが、何抜かす?遼んとこの会社に顔を出すと、必ず叔父さんが、俺に愚痴ってくるぞ。何時になったら、継ぐんだってな」
…そうなのだ。遼は、外資系企業の三本の指に入るほどの大企業の跡取りだ。だが、自分には関係ない。次男が継げばいいと言い張っている。
「…煩いよ。俺の事はいいから、凛ちゃん、連れて帰ってあげなよ。…そうじゃなきゃ、俺がお持ち帰りするよ?」
(遼ならやりかねない)
そう思った須藤課長は、慌てて財布からお金を出し、カウンターの上に置くと、凛を店から連れ出した。
「…ホント、手の焼けるヤツだな」
須藤課長がいなくなり、遼はそう言って笑った。
「…仕事仕事で、色恋沙汰には、無頓着なんだろうけど…さっさと自分の気持ちに気づかないと、新だっけ?そいつに凛ちゃん獲られるよ?」
「…人の事言ってる場合か?遼こそ、何時になったら、本業に戻るつもりだ?」
話をすり替えられ、遼は須藤課長を睨む。
「…いいんだよ。俺はこの仕事の方が性に合ってるんだから」
「…フン。大企業の跡取りが、何抜かす?遼んとこの会社に顔を出すと、必ず叔父さんが、俺に愚痴ってくるぞ。何時になったら、継ぐんだってな」
…そうなのだ。遼は、外資系企業の三本の指に入るほどの大企業の跡取りだ。だが、自分には関係ない。次男が継げばいいと言い張っている。
「…煩いよ。俺の事はいいから、凛ちゃん、連れて帰ってあげなよ。…そうじゃなきゃ、俺がお持ち帰りするよ?」
(遼ならやりかねない)
そう思った須藤課長は、慌てて財布からお金を出し、カウンターの上に置くと、凛を店から連れ出した。
「…ホント、手の焼けるヤツだな」
須藤課長がいなくなり、遼はそう言って笑った。

