完璧上司の秘密を知ってしまった件について

…午後の仕事は、午前中の遅れを取り戻す為、凛は必死に仕事を片付けていく。

…時折、横を通り過ぎていく須藤課長を物欲しそうに見る凛。

でも結局、ずっとぐてたまちゃん!は返してもらえず…

定時になっても仕事が終わらず…気がつけば9時を回っていて、ようやく今日の業務は終了した。

「終わったー‼︎」
「…じゃあ、行くか」

「ビッ‼︎ビックリした!なんでまだいるんですか!須藤課長⁈」
「…これ、返して欲しいんだろ?」

「…ぐ、ぐてたまちゃん!」
「ほら、遼のとこ行くぞ」

「遼さんのとこ?行く!行きます」
「…遼が、気に入ったか?」

冷たい眼差しで言う須藤課長。

「もちろんです!私を女の子扱いしてくれますから。誰かさんと違って」
「…そうか、返して欲しくないのか」

(モゥ‼︎人でなし‼︎)

…もう何度目か、そう毒づいたのは。

溜息をつく凛のカバンをまた人質にした須藤課長は、さっさとオフィスを出て行く。凛も慌ててそれを追いかけた。