完璧上司の秘密を知ってしまった件について

政宗はクククッと笑って、また凛たちの方を見た。

「…でもさ、三好がいっつも佐伯さんの隣にいるだろ？言い寄りたいけど、三好がガードして近づけやしない」

「…彼氏だったら、彼女守るのは普通だろ？」

そう言い返して、お茶を飲む。

「三好は、佐伯さんの彼氏じゃない」
「ブッ‼︎」

「…汚ねえなぁ」

須藤課長は慌ててハンカチで口を拭った。

「…悪い。…じゃあ、なんで一緒にいるんだよ？」
「三好は、佐伯さんの事好きだからだろ」
「…タイミングを見計らってんだと思うぞ。男に関しては、佐伯さん、かなりガードが固いって、聞いたから。…あんな良い男が傍にいるのに、気づかない佐伯さんは、ちょっとイタイけど」

…須藤課長はまた、凛たちの方に目を向けた。

…二人は本当の恋人のように仲が良い。

…凛のあんなに楽しそうな顔を見るのは、須藤課長にとっては初めてだった。

…。

「…あ、鈴木課長、今お昼ですか？」

いつの間にかそばに来ていた新が政宗に言う。

「やっとだよ…佐伯さんこんにちは」
「…こんに、ちは」

そう言ってはにかんだ凛の顔は、可愛い顔だった。

…凛は、男女問わず仲が良いが、結構な人見知り。仲良くならなければ、笑顔もぎこちない。政宗はそのことを知っていて、この凛の反応が初々しくて、可愛いと思うのだ。