やんわりと、それでも拒むことができない強さでどんどん静くんの方へ引き寄せられる。それとともに縮まる距離。
ドキドキとうるさい心臓と相まって近づく静くんの綺麗な微笑を直視できずにぎゅっと目をつぶった。ちゅ、とちょうどわたしの喉のあたりに口づけられる感覚にピクリと肩が上がる。
「~~~っ!(うわああぁっ、し、静くんの唇がっ…!!」
下手すると奇声を上げてしまいそうで思わず固く口を閉じる。体に力が入って静くんの肩に乗せている手に力が入った。
「し、ずか、く、」
そろそろちょっといろいろ限界なんですが…!!?
ふるふると小さく震えるわたしにクスリと心底楽しそうに笑う気配がして終わってくれるのかとちょっと気を緩めた途端、静くんは口づけていたそこを軽く食んだ。
「っ…!!!」
ピシッ、と明らかに固まったわたしに追い打ちをかけるように食んだそこに舌を這わす。最後にちう、と吸い付いてから体を離して。
カチコチに固まって口をパクパクするわたしははっきり言ってこれ以上はないんじゃないかと思えるぐらい真っ赤だったと思う。
だって、だってさ!ちゅーはこれまで結構されてきたけどっ!はっ、食まれましたよ今!?に、肉食動物に食われる草食動物の気持ちがわかった気がする…


