それが伝え方なのです




コソコソと2人で話す様子に首を傾げながら頭の中では何して遊ぼうかなぁと考える。やっぱ王道にビーチボールとかしたいなぁ。ひたすらぷかぷか浮かんでるのもいいかも。


楽しみすぎて浮き輪もビーチボールもしっかり持って来たもんね!浮かれてる自覚はあるけど他にもいろいろ持ってこようとしてさーやんたちに止められたからこれでも少ない方だ。



「荷物ありがとうございました」



ひょっこりと顔を覗かせるとパラソルの下でのんびり座っていた沢木さんが「どういたしまして」とニッコリ笑っていた。


あれ?そういえばさっきまで洋服だったのに水着になってる?いつの間に着替えたんだろ。


そんな疑問を浮かべていると雰囲気で察したのか静くんに荷物を任せて一足先に着替えてきたらしい。そして今は静くんが着替えているとか。


なるほど、だから静くんの姿が見えないのか。納得納得。



「もう少しで帰ってくると思うけど、って言ってるそばから来たね」



ほら、と視線の先にわたしも顔を向ければ遠くからでもわかる静くんにドキーンと心臓が跳ねた。


ここは海。つまり着るのは水着。水着といえばそりゃあ上半身は…というわけで。


初めて目にする静くんの素肌に何を考えているんだと自分で自分を殴りたくなった。


そうだよね、海だもんね。裸にもなりますよね…自分のことばっかりでこのことを頭からすっぽりと出していた自分の浅はかさを恨む!!