それが伝え方なのです




どこに行こうか、と話し合った結果、2人とも特に行きたいところはないからとちょっとブラブラして行くことになった。


歩いている間、わたしは学校であったことを話して、静くんはそれを聞いて。


だいたいいつもこんな感じで、いつの日かゆーみんに「つまらなくないの?」と聞かれたけど、そんなことない。


たまに笑ってくれるところとか、繋いだ手をぎゅってしてくれるところとか、ちょっと隣を見ると優しい目で話を聞いてくれていたところとか。


静くんの全部にドキドキして「つまらない」なんて感じている暇はない。



「静くんは、前に言ってたレポート大丈夫だった?」


「ん、」



大丈夫、と笑う静くんにわたしもつられてヘラリと頬が緩む。



「大学かぁ……わたしも進路いい加減に決めないとなぁ」



現在高校2年の終わり。進路も決めないといけない季節だ。


とりあえず進学、と考えてはいたけどそれじゃもう通用しない。これからは具体的な目標が求められる。