少し目を伏せて雑誌を見る静くんの姿はまるで一枚の絵みたいに綺麗で思わず見惚れてしまう。
ぽぉ、と見ていたら視線を感じたのか、不意に静くんがこっちを見てバチリと視線が絡んだ。
悪いことなんて何もしていないのに、なんだか悪いことをしたように感じて、あわわと意味不明に手近にあった雑誌で顔を隠す。
チラリと雑誌から静くんの方を覗いてみれば、クスクスと笑っていて頬が熱くなった。
「やよ」
ドキッ、と心臓が跳ねる。
低くて落ち着いた声の方におずおずと雑誌から顔を覗かせれば、穏やかに微笑んだ静くんの姿。
「会えたね」
「う、うん」
コクコクと頷くわたしにゆったりと笑い、滑らかな動きでその指を絡める。
向こうできゃあきゃあ言っている女の子たちなんて目に入っていないかのようにその瞳にわたしを映し、小首を傾げる静くん。
それが「行こうか」と言っているのだと分かっていたので、わたしもコクリと頷いた。


