「やよ……あの子と仲いい?」


「あの子?あ、水無瀬くん?」



そう言えばあのまま置いてきちゃった!静くんのことで頭いっぱいで完全に忘れてた……男の子1人で大丈夫かな。



「うーん、普通に仲いいよ。同じクラスだし」



それにお互いしーちゃんっていう共通点(共通人?)がいるし。



「じゃああんま仲よくしないで」


「へ、どうして?」



きょとんとするわたしに静くんはちょっと苦笑して首筋に顔を埋める。



「言ったでしょ。お願いだから、あんまり妬かせないで」



ちゅう、と長めに唇を落とされてやっと落ち着いたわたしの顔にはまた熱が上った。


さ、さっきはそう言っていたのですね。実を言うとよく聞こえていませんでしたごめんなさい。


つまりは、その………やきもち、というものでしょうかね?静くんがやきもち……すっごく不謹慎だけどすっごく嬉しい。緩んでしまう顔が隠せない。



「わかった?」



こつん、と額をくっつけあって聞く静くんにわたしははにかみながら小さく頷いた。



「静くん」


「ん?」


「えへへ、あのね…大好きだよ」



ぎゅうっと胸元に頬をすり寄せて抱きつけば、静くんも応えるように抱きしめ返してくれた。





首へのキスは『執着』の意味、手のひらへのキスは『懇願』の意味


あなたに心を捕らわれてから、何度お願いしてもいいほどあなたを離したくないのです