「やよ」



耳元で直接脳に吹き込むような静くんの声に体が意図せず反応する。



「し、静く、」


「あんまり……ないで」



ちゅ、と小さなリップ音と首筋に感じた柔らかさと温もりにカチンと体が固まった。



(う、わわわわわ!!)



ぶわわ、と顔の熱が更に上がって頭がクラクラする。


このまま気絶してしまうんじゃなかろうかと考えるわたしに対して静くんは何度も何度も首もとに唇を落とす。


すぐそばにある耳に小さな軽い音が届いて本当に顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。


じわりと滲んだ視界の中で色っぽい表情の静くんが見える。まだまだお子様なわたしにとってその顔は色っぽすぎて心臓が壊れそうだ。


わたしをその瞳に映した静くんはそのまま顔を近づけて……



「だっ、だめ……っ」



触れ合ってしまいそうになる唇にわたしは思わず静くんの口を自分の手のひらで覆ってしまった。


ちょっと驚いたように目を見張る静くん。そのあとすぐにむっとした表情になってしまう。


うわああぁ、ごめんなさい!でもちょっとこれ以上は容量いっぱいで……!!


真っ赤な顔で(自覚あり)大慌てで首を振る。ほんと、冗談とか一切なしでこれ以上は無理です…っ!!!