「やよ?」


「えへへ、なんでもないよ」



ニコニコと笑顔でそう言えば不思議そうにしながらも笑みを返してくれる静くんにぎゅうっと繋いだ手に力を入れた。



「俺もお祝いしたいけど、やよのお母さんたちから取るのはさすがに忍びないからね」



今度2人でお祝いしよ、と提案してくれる静くんにパッと顔が明るくなるのが自分でもわかった。やった、静くんと2人でお祝い!どんなのにしよう?


静くん、お母さんたちに気に入られてるから多分一緒でも構わないというかむしろ誘われそうだけど、個人的には2人がいいというか、お母さんたちが悪いわけじゃないんだけど。


受験とかでしばらく静くんに会えげなかったんだもん。終わった今ぐらいは静くんと2人っきりで一緒にいたい。ごめんね、お母さんお父さん。


でもそうだよね、受験は終わったんだもん。これからは静くんと会うの我慢しなくていいんだ。いっぱい会えるんだ。これを喜ばない人はいないよね!


いつ会おうか、何をしようかと他愛もない会話をしながら歩いていればあっという間に家の近くまで来てしまった。静くん不足なわたしには物足りない…そんなこと言えないけども。



「じゃあやよ、またね」


「うん…またね、静くん」