わたしの受験番号は148番。逆からだと「やよい」とも読めるから嬉しかったのを覚えている。それに覚えやすい数字だもんね、受験番号忘れる可能性もないよ。


けど今はそんなことはどうでもいいのです。というか覚えてたら覚えてたで今回は怖いというかなんというか…だってなかったときを考えると間違えようもないんだもんっ。


人混みの中からビクビクと泣きそうになりながら自分の番号を探していく。


ひゃく、ひゃくにじゅう、さんじゅう…よんじゅ、ってやっぱ無理だあぁぁ!!


わーっと手のひらで目を覆って隠してしまうわたし。小心者にもほどがあるって?別にそれでいいもんっ、ヘタレだもん!!


さっきから幾度となく繰り返しているのだからここまでくるともはや奇行といっても過言ではないと思う。


でもでもでも!!やっぱり無理なものは無理だし怖いものは怖いんだよおぉぉー!!!



「やよ、大丈夫だから」


「うぅううーっ」



柔らかく手首を掴まれて促されるままに手のひらを離す。比喩とかじゃなくて本当に半分泣きながらそろそろと顔を上げて静くんの指差す方向に目を向けた。


真っ先に目に入ったのは148番の数字。しばらくその場で固まったのは仕方ないことだったと思う。