そしてクリスマス当日。
「やだああぁぁぁっ!」
「いい加減にしなさい!!」
「あうっ」
バチーンっとおでこを叩かれて背中からダイブ。いきなりのことだったのでグラグラと世界が揺れて目が回った。うぇ、気持ち悪い…
うーっとベッドの中に丸まるわたしを見て「そのままおとなしく寝てなさい」と言い放ってお母さんは部屋を出て行った。
わかってるもん。でも頭ではわかってはいても心がそれを許さないのだ。
「こんな日に、風邪なんて…っ」
悔しいぃいっ!!せっかくのクリスマスなのに!記念日なのに!お休みにしてたのにぃー!!
なのに風邪引くなんてっ!!!
「最悪だよぉ…」
ぐす、と熱のせいだけじゃない涙が溢れてシーツを濡らす。いったい何がいけなかったのか。
この日のために夜更かしして勉強に励んだこと?それとも前に防寒具無しで買い物に行ったこと?はたまた長風呂した後暑くて薄着でいたこと?
考えれば原因らしきものがあれこれと浮かんできてまたまた落ち込んでしまう。しかもぐるぐる考えすぎて気持ち悪い…昨日病院行ったときはインフルエンザではないって言われたからすぐに治るとは思うけど…すぐじゃなくて今がいいのに!!
「しずかくん…」
やっと会えると思ったのに…電話で伝える勇気はなくて昨日のうちにラインを送ったけど返事が怖くて見ていない。わたしのせいで約束おじゃんにしちゃって、静くん呆れてるかな…
じわぁっと滲む視界でぎゅーっと目を瞑っていたらいつの間にかわたしは眠っていた。