あの子になりたい

授業が終わり昼休憩の時間になった
いつも舞とご飯を食べているので舞に声をかけようとした
急に、急に松村さんの癖を思い出した
人に話しかけるまえに髪を右耳にかける癖

何故だか私の手は髪を右耳にかけた

「舞、ご飯食べよ」
「あ、うん。」

私は今松村さんの癖をした

何故だろう、ものすごく興奮している自分がいる
一瞬、自分がまるで松村さんになったみたいでゾクゾクした

舞が何やら喋っているのを聞き流して、このゾクゾクの余韻に浸ることにしよう

...すごく幸せに感じるよ、松村さん

横目で松村さんを見ると友達と笑いながら話している
ああ、笑い方も可愛い。松村さんは笑うときに眉毛を下げるんだね
私も笑うときに眉毛を下げてみようかな