事務的に、淡々と親族にその言葉をかける医師に苛立ちを覚えた。
医師は悪くないとわかっている。
しかし、苛立ちは募った。

薬を打ってしばらく経つと、痛みは治まったようで祖母は静かになった。
しかし呼吸はまだ苦しそうだ。
目は閉じているが、意識があるのかないのかはわからない。
しかしモルヒネを打つと、もう意識がないのと同じだということを聞いたことがあった。
祖母は自分が死んでしまうということがわかっていたのだろうか。
自覚できないまま死んでしまうのだろうか。
意識がないかもしれないのに、それでも親族は祖母に話しかけていた。
私はあいも変わらず、泣いているだけ。
夜が深くなるに連れ、疲労も募り、私はいつの間にか寝てしまっていた。
しかし度々目をさます。
パイプ椅子で寝ていため、寝つきは悪く、首は痛い。