意識を取り戻した男に後ろから襲われそうになったところを、長瀬くんがかばってくれた。
「長瀬くん!?」
私を包んだ腕は一瞬でほどけ、状況を理解する頃に私の目に映ったのは、倒れていく男たちだった。
一瞬だったーーー
「城ヶ崎、大丈夫か?」
呆然とする私に、高瀬くんが私の顔を優しい顔で覗き込む。
「だ、大丈夫…」
「ごめん。俺が呼び止めたせいで」
「いや、全然、大丈夫、です…」
心臓がドキッとした動揺で、言葉が途切れ途切れになる。
「そっか」
「はい…ありがとうございました」
私は頭を下げた。
「俺、城ヶ崎のこと、送る」
「え?…あ、いや大丈夫です」
助けてもらった上に送ってもらうなんて、そんなことできない。
「また、襲われたいの?」