「!!」





長瀬くんは私だと気づくと、目を見開いた。





まさか、見られていたなんて。






でもそんなこと、私には関係ないし。



私は固まっている長瀬くんを無視して歩き出した。





「おっ、ちょい待てよ」





何も言わずに帰りたかったのに、長瀬くんが私の腕を引っ張って引き止めた。





「なんですか…」


「お前、城ヶ崎だよな?…え?お前がやったの?…って俺なに言ってんだろ」





本人もよくわかっていない状態で話しているから、かなり混乱しているんだと思う。




なんせ、学校ではあまり口を開かない無口で地味な私が空手を使って倒していたのだから。





「そうですけど…」




でも、なんとかなく、長瀬くんには見られたくなかった。





そのとき


「うぅ」


男たちの小さな唸り声が聞こえた…かと思うと………



「オラー!」
「危ない!!」





ドガッーーーー