繁華街を通り抜けた後、それは起こった。
「ねぇ、そこのお姉ちゃん」
突然後ろから話しかけられて振り向くと、そこには背の高い男の人が二人私を見下ろしていた。
ふたりは口元に奇妙な笑みを浮かべている。
「なんですか?」
嫌な予感しかしない……。
「俺らと遊ぼうよ」
……ほら、やっぱりきた……。
ナンパ…?
ガシッと腕を掴まれる。
「…いや、用事があるので…」
本当は何もないけれど、嘘をついた。
「そんなこと言わずにさぁ?俺らと遊んでる方が楽しいって」
いや、用事があるって言ってるじゃん。
話が聞けないやつ。
「ほらほら、行こうよ」
「ヒャハハ」
腕がぐっと引っ張られた。
しつこい……。
ここまで来たら、手加減しないよ?
私はぐっと拳に力を入れた。