むしろ言わなきゃいけないのは
「ハル、来てくれてありがとう。」
私の方。
ハルの気分は晴れないみたいだけど、
私はハルに救われた。
「お前はもっと人に頼れ。」
「えっ?頼ってるよ?」
「どこがだよ。
今回のことだって、俺らじゃなくてもクラスの奴らに言えばよかっただろ?」
「そんなに頼れる人いないよ…。」
「いるだろ?お前クラスの奴らからめっちゃ好かれてんじゃん。」
「みんなと仲良くできてもダメなの。
広く浅く友達がいるけど、深い友達は華桜と…ハルだけだよ…」
「まあ、良いけどお前、一人で抱え込みすぎ。」
「そうかな?」
「ああ。むしろ頼ってもらえなくて
こういう目にあってた方がこっち的には責任感。」
「ごめん。」
「しかも、今回のことは無事でよかった、とも言えないしな。」
「無事だよ!むしろこのくらいで助かったことが奇跡。」
そう言うとハルは
『ミツは強くなったな』
と言って笑った。