「朱音。ちょっといいか?」
「?」
体の感覚がちゃんと戻ってきた頃にやって来た長男さん。
なんか珍しいような気がする。
立ち上がって着いていくと、やって来たのは多分組長のお部屋。長男さんがわざわざ呼びに来るって何事?
「親父入るぞ」
一言言ってから襖を開けた長男さん。
お部屋の中には華月の情報屋や潜入する人たちが男女合わせて5人。そして、間違いがなければこの5人は華月の中でも優秀な人たち…。
ビリビリした空気が部屋に張りつめてる。
とりあえず1番下手に座ると、長男さんは父親の隣に座る。
「朱音、こっち来い」
「…華月朱音として呼んだわけではないなら、遠慮します」
どう考えてもこの状況は変だ。情報屋や潜入を専門とする人たちが危険を犯して華月組に来るなんてよっぽどのことがなければあり得ない。
そしてこの場に呼ばれたということは、私が呼ばれた理由はどう考えても華月朱音として呼ばれたとは思えない。
父親は苦い顔をして、ため息をついた。


