少し部屋でぼんやりして、クロさんに言われたことを思い出す。
朱色の悪魔の被検体が回収されている。つまり、研究者が朱色の悪魔を扱えるだけの研究施設を持ったということ。
個人では恐らく無理だ。いくら10年近く経ってるとはいえ、設備を公にせず、かつ万全に整えるだけの力も資金も準備できるとは思えない。
だとすれば、どこかを味方につけたとしか、考えられない。
元々あの事件後、運よく逃げ切れたからと言ってそのままなにもせず雲隠れするなんて思ってはなかった。
だが、また朱色の悪魔の実験ができるだけの設備を持てるとは思っていなかった。
あの研究者に荷担した奴らは、朱色の悪魔に何らかの価値を生み出したと考えていい。
「面倒だな…」
華月が乗り込んだとしても、研究者だけを差し出せば許すなどという甘いことも言えない。
その奴らもろとも消さなければいけない。それを1人でやるとしても…無理だな。
例え私の中の赤を使いきったとしても、全てを消すことはできないはず。
「…はぁ」
奴を匿ってる奴らさえわからない。なのに、めんどくさいことになってるのは分かってる。
だから、余計にイライラした。


