朱色の悪魔


「俺もそろそろ行くかなぁ」

「ちゃんと勉強して来い」

「へーい」

三男さんが気の抜けた返事をしながら出ていった。

「朱音、父さんと一緒にいる?」

「…や」

「朱音、何でだよ。たまには俺んとこ来てくれてもいいだろ?」

お父さんが両手を広げてる。でもなぁ。

鼻をつまむ。煙草臭い。お父さんも、長男さんも…。

「…煙草やめたら行くみたいだね」

「「それは無理だな」」

残念な報告でした。

それじゃあちゃんと動き回れるようになるまで部屋でコロコロしてよう。

次男さんにお部屋まで運んでもらって、いってらっしゃいして、布団の中でじーっとする。

しばらくして、よいしょと起き上がる。完璧。復活!

さてと、ポケットに入れたままだった携帯と小さな袋にいれた薬を取り出す。

私のじゃないよ。昨日のお兄さんの。エレベーターの中で取っちゃった。薬はこれまたエレベーターで飲まされそうになったやつ。口の中に隠してた。

携帯の電源を入れてみると、やっぱりロックがかかってる。これ案外めんどくさい。

解くのは諦めて、立ち上がる。またポケットに2ついれて、部屋を出る。