「ん、じゃなくて、ちゃんと話なさい」
「んぎゅ!?」
ぽっぺ摘ままれた。アヒル口…。
次男さん手厳しい。
次男さんの膝にごろんとして、目を閉じる。注射は嫌い。
「やりにくいでしょ?」
ちょっと怒られたけどそのままやってくれる。
腕がスースーして、チクってされて、ちょっとしたらぎゅって押さえられる。
あ、終わった。
「朱音、ちゃんと押さえる」
「ん」
次男さんいつの間にか手袋してた。冬のじゃなくて、ビニール手袋。
その手が握ってるのは禍々しい赤。見ないようにそっぽ向いた。
「…やっぱり耐性付いたか」
「増える?」
「そうだね。増やさないと危ないかも」
「苦いのやだ」
「なるべく苦くならないようにしないとね」
次男さんは何個か薬を出してる。うぅ、あれ苦いのだ。
「朱音」
手に薬置かれた。口のなかに入れるとやっぱり苦い。無理矢理飲み込んで倒れた。
うえ。まずい。


