なんで、呼ばなくなったか。
呼びたくない。呼んだら、あなたたちは何を犠牲にしても来てくれるから。
呼びたくない。もう2度と大切な人たちを傷つけたくないから。
呼んだら、あなたたちを頼ってしまうから。
「…どうやったら、呼ぶんだよ。…お前を手に入れればいいのか?」
顎を掴まれる。視線を合わす。
弟くんの視線は本気で、どこか熱い。
弟くんが距離を詰めてきたとき、ガチャっとドアが開いた。
「あ、朱音様!?か、か魁様!!?」
顔を真っ赤にした運転手さん。
弟くんは運転手さんを睨むと、私から離れて運転手さんの方へ向かう。
コキコキって指が鳴ってる。
「平出、てめぇ」
「な、ななな…俺のせいですか!?こんなところでいちゃついてるお2人のせいじゃないですかっ!そういうことはお部屋でなさってくださ…ぐえっ」
必死の弁解虚しく、弟くんの蹴りがきれいに入った。
あーあ。運転手さん延びちゃった。
ピーピーという機械音。あ、洗濯物終わった。
座ってた洗濯かごひっくり返して洗濯物を中に入れた。
「朱音」
「ん」
「…はぁ、いいよ」
弟くんは諦めて、続けてなった洗濯機のふたを開けてる。


