朱色の悪魔


実際、死に別れた場合なんと言うだろう。でも、“死に別れ”って言うくらいだから、やっば別れたって言うのが正しいのか。でも、気持ちはあいつに向いたままで、別れたなんて言葉で表したくない。

どちらか一方でも、別れたくて別れたわけじゃない。

朱音が生きているのなら、今でも一緒にいたはずだ。

だから、別れたと認めるのが嫌だった。

「魁?おーい」

「っ…わり」

「あー。うん。…やめるか」

「悪い…」

気を使わせてしまった。ヒロは話題を変えるなりまたバカみたいに話始める。相づちをうちながらも、やっぱり上の空だった。

「っおやっさん!!?」

ヒロの大声に驚いて視線を横に向けると、軽トラに乗ったおやっさんがいて、慌てて頭を下げる。

「魁、付き合え」

「…え?」

「乗れ」

示された助手席。呆けてる俺をヒロが慌てた様子でおやっさんの隣に押し込んだ。

「ヒロ、気ぃつけて帰れ」

「っはい!お疲れ様です!!」

最敬礼のヒロを横目に発進した軽トラ。

今日は本当に何なんだ…?