朱色の悪魔


「…朱音、部屋戻れよ」

「や」

「お前なぁ」

洗濯物持った弟くん登場。洗濯かごひっくり返して座ってる私を呆れた顔で見てる。

「X」

「ん?これ終わったら行く」

「干す?」

「いや、いい」

うさぎのマークの隣の洗濯機に放り込んで、同じようにスタートされる。

ガラガラっていう音が響く。

弟くんは壁に背を預けて何やら神妙な顔して洗濯機を睨んでる。

「なぁ、朱音」

「ん」

「…名前で呼べよ。俺のことも、兄貴たちのことも」

ガラガラ音が響く。弟くんの顔は見えない。
視線を、落としてるから。

「なんで、呼ばなくなっちまったんだよ」

「…」

本を閉じる。弟くんはじっと私を見てた。

だから、視線をそらした。

「…朱音」

「…」