朱色の悪魔


「はぁ、はぁ…は、はは…」

なんで。涙なんか。

どうして、私は泣いているんだろう。

どうして、こんなにもむなしいんだろう。

復讐は果たした。

なのに、心は空っぽでむなしいだけだ。

警報は鳴り続ける。部屋は赤色に染まる。


1人になりたかった。独りに、なりたかった。

私のせいで誰かが死ぬのを見たくなかった。

私の血が人を殺すのを見たくなかった。

私を見る人の目が怯えと恐怖に染まるのを見たくなかった。

私が、人ではないことを見るのが嫌だった。

だから、だから…。


「っうう…」

こうなることを、望んでいたはずなのに。なんで、生きたいって思ってるの?

ふと、顔をあげた先には実験体を乗せる台があって、その土台となっているところの側面が微妙にずれている。

右手を動かそうとして、その手が異様に重たいことを知る。それでも、時間をかけて動かし、その側面を引く。

すると、あっさり側面は剥がれてその奥に続いているのは、地下へ通じた階段。

なるほど、あいつらが言っていた逃げ道というのはこれのことだったんだ。