朱色の悪魔


「あんたは、なんの権限があって人を殺したの。…朱色の悪魔を、私を、生み出すために何人殺した。っ何人、犠牲にした!!」

右肩を撃ち抜く。研究者の四肢はもう、使い物にならない。

血走った目が私を映す。研究者の目の前に銃口を突きつける。

「人はね、人が作ったルールに従わなきゃいけない。じゃなきゃ、人は混沌とした世界に投げ出されてしまうから。

この世界が、この世界でいられるのは、少なからず、この世界に生きる人の多勢がこのルールのもとに生きているから。違う?

ルールを守らない者はその国の法により、裁かれる。それが、この世界のルールなの。

…さて、あなたはこの、日本という国に、戦争の道具を作るために犠牲にしていい命があるというルールがあると思ってるの?

答えはNO。そもそも、この日本は戦うための武器は作れないの。それを所持することも、使用することも許されていない」

息を吸う。銃口を研究者の鼻先に突きつける。

「あなたは、この国のルールを破った。本当なら、この国のルールに則り、裁かれる。

……でもね、あなたにはそんな生易しいものはあげない。あなたには、そんなもの贅沢でしかないんだから。

人権が保証される裁きなんか、あんたには不必要だ。

あんたは裏の世界に踏み込んだ。…だから、あんたは、裏のやり方で死ねばいい」

トリガーに指をかける。研究者は感情の爆発した瞳で私を見つめている。