朱色の悪魔


「答えは簡単。あなたが、まだ生きていて、逃げ切れる力が残っていたから。だから、華月を遠ざける必要があった。だから10分という時間が生まれた。だから、戻ってきたの。あなたを、殺すために」

バカみたい。拳銃を持った相手に背を向けて、這いずり回ってるなんて。何て滑稽なんだろう。

無様すぎてみてられない。

先程撃ち抜いた足とは反対の、左の足を撃ち抜く。2度目の衝撃。

研究者はそこではじめて体制を変え、私をその瞳に映す。

「ッ待て!朱、落ち着け…」

「私は落ち着いてる」

「ッ!!悪かった!!今までのことはすべてッすべて謝る!だから」

早口すぎて時々舌を噛んでいるようだ。

だが、そんなことすら気づかないままに口の端から赤を見せる研究者。