玄関にたどり着くと、外に出たところで組員が並び一様に相手を睨み付けていた。相手は門に入ったところで並んでいる。
その中に拳銃を突きつけられ身動きがとれない弟くんと三男さんの姿がある。
相手が人質を取っているから動けないんだ。
私も例外ではない。下手に動けば2人が危ないんだ。
膠着状態が続く。
誰も動かないまま、時間だけが過ぎていく。
すると、突然相手の黒スーツ集団から1人だけバカみたいに真っ白な白衣を着た奴が出てくる。
ちょうどその時、組長と長男さんが駆けつけてきて、組員たちが彼らのために道を開ける。
正面に出た組長の覇気はいつものお馬鹿な父親の影をなくし、睨みだけで人を殺せそうな力を持っていた。
「てめぇら、そいつらが誰か分かってやってんだろうな?」
「いやはや、初めまして華月様。僕も出来ればこんな手段はとりたくありませんでしたが、こうでもしないと会っていただけないと思いまして…」
組長に対して口を開いたのは白衣の男だった。…なんで、白衣なの?
玄関のところで突っ立ったまま、状況を見つめる。
「用件を言え。息子たちを返してもらおう」
「えぇ。ご子息はお返しいたしますとも。…ですが、交換条件です」
「なんだと」
華月に交換条件?何考えてるんだ、こいつ…。
ふと、白衣の男の視線と合った気がした。


