「…知って、どうすんだよ」
「え?」
「何、弱味握りたいわけ?」
弟くんの言葉は何の遠慮もない。その目は鋭く敵を射抜く。
弟くんの本領発揮に女の子たちは全員真っ青になった。
「てめぇらみたいなのが1番嫌いなんだよ。好奇心だけで人の過去に踏み込むんじゃねぇよクズ」
弟くん毒舌絶好調。流石暴走族幹部さん。
ケンカもスポーツも一緒。体動かして、強くなるためにトレーニングして。ほら同じ。
「あぁ、そうだ。気に食わねぇなら俺が相手になってやる。…朱音に手出したら、女でもコロスから」
一瞬教室を駆け抜けていった殺気。
様子をうかがってた人たちまで表情が凍りつく。
女の子たちは蜘蛛の子を散らしたように自分達の席に帰っていった。
さぁ、いつもの状態が作られた。私も弟くんもいない世界が出来た。
1時間目のチャイムが鳴り響く。
先生が入ってきて、あいさつして、授業して。
ただ、それだけのためなら家でできるのに。どうして、学校なんかに来てるんだろう。
どうせ、誰とも話さないんだから。家でも変わらないのに。何で…?


