朱色の悪魔


「朱音様、自分で食べください」

「…無理」

「神哉様からのご命令です。私どもは手伝いませんので」

…鬼畜だ。

スプーンなんかないし、箸だけだ。

動けないんだってば…。スプーンをお願いしても聞き入れてくれない。

結局、ほとんどこぼして食べられなかった。

そんなこと気にしていないかのように運転手さんはこぼした分も全部きれいに片付けてしまう。

「…くすり、は?」

「ありません」

「…え?」

「朱音様が勝手に動くことがないようにと、本日から薬は出しません」

「そん、な…」

ご飯さえまともに食べれないんだよ?勉強だって、ペンも持てないよ…。

運転手さんは服を出して着替えてくださいと言うと私の片手に紐なんかくくりつけて廊下に出た。

出られても、着替えられるわけないじゃん…。

それに、さっきからすごい苦しい。動きたくない…。

布団なんか引く元気もなくてそのまま畳に転がって目を閉じた。