朱色の悪魔


翌日。

目が覚めたときには自室にいた。

だけど、縁側には運転手さんが座り込んでいて、廊下側にも誰かの気配がある。

ほんとに、監視されてるんだ。

しかも、こんな堂々と…。

起き上がろうとして、出来なかった。

昨日の昼からなんにも食べてない。空腹のところに無理矢理薬だけ入れてたけど、それも切れた。

ポケットにはなにもなかった。

クロさんを脅して買った危ない薬もケータイも。諦めて目を閉じる。

それにしてもダルい。布団がこんなに重いだなんて知らなかった。

「朱音様、起きたんですか?」

「…」

「食事は摂っていただきます。あと1時間ほどで先生もお見えになるので」

運転手さんは淡々と告げて、廊下にいた誰かに命令する。

家庭教師さん来るんだ…。当然か。長男さんが休ませるわけがない。

無理矢理身を起こしただけで頭がくらくらする。

また布団に倒れ込みそうになった私を片手で受け止めた運転手さんは私を布団から追い出してさっさと片付けてしまう。

そうこうしてる間に戻ってきた人がいつも通りの朝御飯を持ってくる。