朱色の悪魔


投げ捨てるようにベッドに下ろされる。衝撃でバスタオルが床に落ちた。

拾おうと伸ばした手は逆に捕まれてベッドに組敷かれる。

「っやだ…」

「あ?毎日違う男と寝てたんだろ」

「っちが…」

「言い訳してんじゃねぇ!!てめえが金に釣られて股開いたことなんか知ってんだよ!」

顔の隣に拳が落ちてくる。

見下ろしてくる弟くんは、泣いてた。

頬に落ちてくる涙が伝い、枕を濡らしていく。

「俺だけじゃ、満足できなかったのかよ」

「違う…」

勝手に涙が溢れて伝っていく。

違う。弟くんに罪悪感がないなんてことなかった。知らない人に好きにされて、何度も泣きそうになった。

でも、それでも、あいつの居場所を探る情報を買うには、あれしかなかったから…。

「何が違うだ。尻軽女」

「っ…」

弟…魁は、許してなんかくれなかった。

いつもなら止める場面でも止めなかった。優しくなんかしてくれなかった。

ただ怒りをぶつけてくる魁がくれるのは、痛みだけで、そんな魁が怖かった。

弟くんはずっと、泣き続けていた…。