朱色の悪魔


「っつめ、た」

「うるせぇ」

シャワー水のまんまだよ…。いくら夏でも寒い…。

ガタガタ震える私に構わず、弟くんは強引に私を洗い出した。髪も、腕も足も、胸も構わずくまなく洗い出す。

「っい…」

「うるせぇって言ってんだろ!」

怒鳴られた声に身がすくむ。

だけど、力が入りすぎてまるでたわしで擦られてるみたいに痛い。

歯を噛み締めて耐えているとまた頭から水を被せられて悲鳴をあげる。

それでも無視されて、洗い流された泡を呆然と視線でおっていると、バスタオルにくるまれてお風呂から出される。

「っ待って、服だけ…」

「黙ってろって言ったよな」

そのまま脱衣場を出ようとする弟くんを止めても返ってきたのは脅すような声だけだった。

弟くんに抱かれたまま連れて行かれたのは離れだ。

前に次男さんに言われてから、そうする時はここ。

弟くんのしようとしてることに気づいて胸を押したけど、そんな意見聞いてくれるはずもなかった。