「…」
あ、れ?
バレてるもんだと思って正面回ったけど、誰もいない。大体いないってバレた門番がいるのに。
もしかして、まだバレてないとか?
なら、ラッキーだ。
急いで部屋の方へ回って、塀を乗り越える。
誰もいない。よっぽど運が良かったんだなぁ。
ほくそ笑んで部屋に戻る。服さえ着替えちゃえばバレないもんね。
急いで着替えて、靴はもちろん隠した。
さてと、あとは自分から長男さんたちに顔見せれば完璧かな。
廊下に出ると、目の前に人影があって、見上げたら険しい顔の長男さん。
…あ、れ??
「朱音、どこ行ってた」
「…どこも、行ってない…よ?」
へらっと笑って見せた。だけど、瞬時に首を捕まれて息がつまる。
っく…。
「朱音、なにふざけてやがる」
「な、にが?っあ゛…」
「気づかれてねぇとでも思ってたのか…あぁ!?」
「っ…」
なんで…なんて、愚問か…。
そりゃあ、そうだよね…。他の組の内部情報を拾ってこれるんだ。しっぽつけっぱなしの私の動きなんか、手のひらの上だ…。


