朱色の悪魔


「っはぁ…ふざけんなあいつ」

やっと解放された…。鬼畜野郎が…。

寝たところで逃げた。もう付き合ってらんねぇ。

逃げたはいいけど…。あーあ。弟くん帰ってきてる時間だよ。これ…。

バレるじゃん?怒られるじゃん…。

「…っはぁぁあ」

ため息くらいつかせてほしい。

路地裏で座り込んではいるけど、いつ帰るかなぁ…。

まぁどのみち怒られるだろうし、行くしかないかな…。

膝に手を着いて立ち上がる。

「っあ…」

っまた、これッ…

胸が、痛い…ッ!

「っはぁ、はぁ…」

胸を押さえて座り込む。ポケットにそのまま入ってた錠剤を無理矢理飲み込んで、そのまま深呼吸だけでじっとしていると、痛みがだんだんと収まってくる。

「…はぁ」

痛みが去って、ため息をつく。

…時間、か…。

こんな、こと…したくないなぁ…。

暗くなり始めた空を見上げ、笑みを作ると今度こそ立ち上がって歩き始めた。