2年が経過した。
シュリとしての仕事は増えていく。そして、直接手を下すこともあった。不思議と罪悪感も後悔もなかった。
心はとっくに麻痺してまともな働きをしていなかったのかもしれない。
そして、私は、自分の異変に気づく。
体が動かせないのだ。それは徐々に症状を出していたけど、異変から僅か3日で完全に動けなくなった。
シュリとしての役目は果たせなくなった。
それは、私の生かされている理由を失うことになる。
「まぁ、お疲れさま。シュリ」
留榎兄さんの考えは当然だった。
必要なくなったのだから消す。いらなくなった駒は、知りすぎた情報を抹消するためにも消す。
そういう、世界だ。それになんの躊躇いがあっただろう。
せめてもの慈悲なのか、苦しまずにと留榎兄さんは麻酔と毒を選んだ。それが入ればあとは、息が止まるのを待つだけだった。
…はず、なのに。
いつまで経ってもそのときは来なかった。それどころか、動かなかったはずの体が動くようになった。
「…な、んで?」
理解、出来なかった。もちろん、投与した留榎兄さんにも、わけが分からなかった。
徹底的に調べたのちに分かったのは、朱色の悪魔が常になにかを攻撃していること。今まで私が動けていた理由は分からないが、とにかく私が動くためには何らかしらの毒が必要だということだった。
そして、自分が人ではないことを突きつけられた。そして、なぜあの時研究者たちが私をガス室に放り込んだのも納得した。
要は、そういった類いで私が死ぬことはないと確信していたのだろう。そして、ほとぼりが冷めたら私を回収する。良くできた筋書きだと思う。


