仕事の時はシュリと名を与えられた。
シュリになる度におかしくなっている感覚はあったが、構わなかった。
役に、立てているのだから。
嫌だと叫ぶ私に、留榎兄さんに1度だけ諭されたことがある。その言葉は当時の私の甘ったれたバカさを正した。
「シュリ、嫌だなんて言えないよな?お前が何をしたのか分かってるのか?俺たちから母さんを奪ったくせに、まともな人生が送れると思ってるのか?
ふざけるなお前は人殺しだ。本当なら殺してる。
お前を生かしているのはただ、お前が華月組の役に立てるからだ。役に立たなくなればお前は要らない。
分かったな。シュリ、お前は役に立たなくなればいけない。だから、仕事は必ず成功させろ。成功以外などあり得ない。
よくよく覚えておけ。シュリ」
私には罪がある。人殺しだ。この世界においてこれ以上にない罪深きことをした。
だから、私はあがなわなくてはいけない。華月組に利用されるべきなのだ。
教養は受けた。あまりの無知は相手の不審を誘う。そして、心は麻痺していく。頭が腐っていくような感覚がした。
それでも、構わなかった。だって、許されないのなら、少しでも役に立てるのならば、役立つべきなんだから。
それに、シュリであるときは少なからず楽、だったのだ。例え形だけでも、その時だけは私はただの普通の女の子になれた。
そして、仕事がうまくやれれば、留榎兄さんから誉めてもらえた。認めてもらえた。
だから、結局シュリは私を守るために利用するしかなかったんだ。


