朱色の悪魔


4年が経った。私は、数えで11歳になっていた。

ここまてくると、研究者たちは私のことを調べつくし、俄然興味を失ったようだった。

それは、漠然と私の死を意味していた。

この頃にはすっかり、死に生きていた。そして、唐突に現れた彼に少なからず驚いた。

この4年、家族には当たり前だが会わしてはもらえなかった。だから、彼、華月留榎との再会は実に4年ぶりだった。

「…るか、にぃ…」

「呼ぶな化け物」

私は、バカ、だった。

母親殺しに最早帰る場所などなかったのだ。

留榎兄さんは当然のように私を物として扱った。華月組の所有物として扱った。

だから、苦痛を伴う実験は毎日のようにされたし、何度も体は裁かれた。

その度に死にかけ、生かされた。

生き地獄。まさにその通りであっただろう。

だが、私は、生かされた。まるでそれが罰だと言うように、留榎兄さんは4年間隠しきった憎悪を、嫌悪を、全て吐き出して攻撃された。

それを、恨んでなどいない。

むしろ、当たり前だ。殺されたって文句は言えない。

当たり前だ。むしろ、生かされていることに感謝しなくてはいけない。

いや、生きていられるように采配されることに感謝しなくてはならないのだ。